歯周病
産前・産後の歯周病ケア|妊娠期~育児期に知っておきたいこと
目次
妊娠・出産の時期は、体だけでなくお口の環境も大きく変化します。
井の頭公園こどもとおとな歯科・矯正歯科では、妊娠前から産後まで切れ目なくサポートできる体制を整えています。

なぜ妊娠中は歯ぐきのトラブルが増えるの?
妊娠中はホルモンバランスの変化により、歯ぐきが炎症を起こしやすくなります(妊娠性歯肉炎)。
つわりで歯みがきが十分にできない、間食が増える、唾液が減ってお口が乾きやすい――こうした要因が重なると、プラーク(細菌の塊)がたまり、腫れ・出血・口臭につながります。
歯周病と全身への影響
研究では、歯周病があると早産・低体重児出産のリスクが高まる可能性があることが指摘されています。
また、妊娠糖尿病など生活習慣の変化とも関連が深く、お口の炎症を小さく保つことは全身のためにも大切です。
歯ぐきの腫れ・出血が気になる方はこちら(歯周病の段階と治療)
妊娠前~妊娠中にできるケア
- 妊娠前:検診とクリーニングで、歯石・むし歯・歯周病の芽を早めに解消。
- 妊娠初期(~12週):体調に配慮し、必要最小限の検査・応急処置中心。
- 妊娠中期(13~27週):体調が安定しやすく、クリーニングや歯周基本治療に適した時期。
- 妊娠後期(28週~):無理のない姿勢・短時間でのケアを。気になる症状は早めにご相談ください。
お薬やレントゲンの必要性は、産科情報や母子健康手帳を確認しながら安全に配慮して判断します。気になることは遠慮なくお申し出ください。
つわりのときの歯みがきコツ
- 無理に磨かない時間帯を避ける(体調の良い時に実施)
- 低刺激・低発泡の歯みがき剤を少量でOK
- 嘔吐後はすぐに強く磨かない:水やお茶でうがい→少し時間をおいてやさしく磨く
- フロス・歯間ブラシを併用し、短時間で効率よく
産後に増える“お口のリスク”
授乳・夜間対応・睡眠不足で、間食やケアの時間減少、口の乾きが起こりやすくなります。
妊娠中に炎症が残っていると、産後に歯周病がぶり返すことも。
- 就寝前だけは2~3分ていねいに
- フッ化物配合の歯みがき剤でむし歯・根面むし歯を予防
- 水分補給、よく噛む、ガム(キシリトール)などで唾液ケア
受診の目安(こんな症状は相談を)
- 歯みがきで出血が続く/歯ぐきが腫れて痛い
- 口臭が強い、朝のねばつきが気になる
- 歯がグラグラする、噛むと痛い
- 妊娠・授乳中でケア方法や成分選びに不安がある
当院のサポート
- 体調・週数・産科の指示に合わせた安全配慮の診療計
- 短時間・分割でのクリーニング、姿勢やチェア時間にも配慮
- ご家庭で続けやすいブラッシング指導・歯間清掃のコツ
- 産後の生活リズムに合わせたメンテナンス間隔(3~6か月)のご提案
妊娠期~育児期に知っておきたいお母さんの口腔ケアに関する、よくある質問Q&A
Q1. 妊娠中に歯科受診しても大丈夫ですか?
はい。体調に配慮しながら受診できます。計画的な処置は安定期(妊娠中期)が目安です。急な痛みや腫れは時期を問わずご相談ください。産科の情報(週数・内服薬)をお知らせください。
Q2. レントゲン撮影は赤ちゃんに影響しませんか?
必要最小限で行い、防護エプロンを使用します。口の中の局所撮影は被ばくが非常に少ないとされています。緊急性が低い検査は、体調と時期に合わせて検討します。
Q3. 麻酔や痛み止め、抗菌薬は使えますか?
使える選択肢があります。主治医の指示や妊娠・授乳への配慮のもとで処方しますので、自己判断で市販薬を使用する前にご相談ください。
Q4. つわりで歯みがきがつらい…どうすれば?
低発泡・低刺激の歯みがき剤を少量でOK。香りはミント弱めを。嘔吐後はまず水やお茶で軽くうがい→少し時間をおいてやさしく磨くがコツです。ヘッド小さめ・やわらかめのブラシがおすすめ。
Q5. 歯周病は早産と関係ありますか?
歯周病の炎症は早産・低体重児出産のリスクと関連する可能性が指摘されています。妊娠前~安定期のクリーニングと歯周ケアが予防に役立ちます。
Q6. 授乳中に歯の治療を受けてもいい?
可能です。必要に応じて授乳に配慮した薬剤選択を行います。予約時・来院時に授乳状況をお伝えください。
Q7. 毎日のケア、最低限の“優先順位”は?
①就寝前のていねい磨き(2~3分) ②フロスor歯間ブラシ ③歯みがき後は少量の水で1回すすぐ。日中は短時間でもOKです。
Q8. おすすめの歯みがき剤は?
フッ化物(目安1450ppm)+殺菌成分(CPC/IPMP)+抗炎症(GK2/トラネキサム酸)が目安。しみる方は知覚過敏対応を。妊娠中は低刺激タイプが続けやすいです。
Q9. マウスウォッシュだけで口臭・歯周病は防げますか?
洗口液は補助です。原因のプラークはブラシとフロスで除去するのが基本。口臭やねばつきが続くときは歯石除去(プロケア)が必要です。
Q10. 育児で時間がない…時短のコツは?
電動ブラシ+ジェル(低発泡)で短時間集中。夜だけは丁寧にを習慣化。フロスはシャワー前や寝かしつけ後など“決まったタイミング”に組み込むと続きやすいです。
Q11. 子どもにむし歯菌はうつりますか?気をつけることは?
口移し・同じ箸やスプーンの共有は唾液を介した菌伝播につながります。可能な範囲で食具は分け、ご家族みんなの口腔ケアを整えることが最大の予防です。
Q12. 受診の目安は?
出血・腫れ・口臭・しみる・ねばつきが2週間以上続く、痛みや腫れが反復する、妊娠を予定している/授乳中でケアに不安がある――いずれも受診のサインです。3~6か月ごとの定期検診をおすすめします。
当院では、妊娠前から産後まで、体調・週数・生活リズムに合わせた短時間・分割対応のクリーニング、やさしいブラッシング&歯間清掃の指導、薬剤選択の配慮までトータルでサポートします。気になることは、どうぞお気軽にご相談ください。
まとめ|“無理せず続ける”がいちばんの近道
産前・産後の歯周病ケアは、完璧より「続けられる工夫」が大切です。
少しの出血や腫れでも、早めのチェックで負担の少ない治療にできます。
気になるサインがあれば、どうぞ遠慮なく当院へご相談ください。
あなたと赤ちゃんの健康を、お口から支えます。
三鷹市牟礼 吉祥寺
井の頭公園こどもとおとな歯科・矯正歯科
